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子どもに寄り添う - 少年事件・学校事故への取り組み(野口善國)

【1】少年事件〜これからどうなるの? 手続きの流れ

手続の流れ

逮捕されたお子さんは、これからどのような手続で裁判されるのかを簡単に説明しましょう。以下の図は、日弁連の「子どもの権利マニュアル」の図に一部手を加えたものです。

野口法律事務所・少年事件の手続きの流れ

お子さんが逮捕されてから、家庭裁判所に事件が送致されるまでは基本的には刑事訴訟によって定められています。従って、家庭裁判所に事件が送致されるまでの弁護士の仕事は弁護人と呼ばれます。

家庭裁判所に事件が送付されてからは弁護士は付添人と呼ばれます。お子さんが逮捕されると、48時間以内に検察庁に送致され、そこで24時間以内に、地方裁判所等の裁判官に対して勾留の請求がなされ、それが認められると10日以内の期間勾留されることになります。

大体勾留期間中に警察官や検事による取調がなされ、家庭裁判所に提出されるための供述調書等が作成されます。事件が複雑であったり、共犯者がいたりすると更に最大10日間の勾留延長がされることもあります。

少年は警察署に留置されることが多いのですが、その勾留期間内に家庭裁判所にお子さんと共に事件の書類が送られます。

その時に家庭裁判所は大体、観護措置という少年を少年鑑別所に入所させる決定をします。

この時、付添人(弁護士)が就いていると、観護措置を取らないように働きかけたり、観護措置がとられても、それを取消してもらったりして、少年を釈放させる努力をします。

家庭裁判所は少年と書類を受け取ると、通常4週間内に少年の処分等を決める審判を開きます。軽微な事件で観護措置もとられていないような場合は審判さえ開かれないことも多いです。

殺人などの重大事案では観護措置は8週間まで延長されることがあります。審判で、非行事実がなかったり、軽微であると不処分の決定がなされます。

処分がなされるのは少年院送致、保護観察、児童自立支援施設送致等の保護処分ですが、重大事案では刑事処分相当として検察官送致(「逆送致」とも言います)の決定がなされることがあります。

検察官送致がなされると、大人とほぼ同様に地方裁判所で刑事事件として(即ち刑罰手続)裁判がなされます。

裁判官が少年院送致にするか、保護観察にして家に帰らせるかという判断に迷う時、試験観察といって、最終処分の言い渡しを先に延ばすことがあります。

試験観察には家に帰らせる在宅試験観察と個人や施設に預けて指導してもらう補導委託があります。在宅試験観察の場合、付添人の弁護士がその期間中お子さんの指導をしたり、親御さんの助言をしてくれることが多いです。

  

親は子を守れるか

お子さんが逮捕されたとしたらどの親御さんも心配で夜も眠れない状態だと思います。

「どうしたら我が子を助けられるのか」、どの親でもそう考えると思います。「とにかく面会に行って子どもを励まそう」、或いは、「お金がかかっても弁護士を就けよう」、「被害者に謝りに行って示談しよう」、このようなことを多くの親は考えます。

しかし、それ以外に親は子どもにどうしてあげられるでしょう。先ほど述べましたように、事実を早期に確認して、事実に応じて対応せねばなりません。

弁護士でなければ(あるいは弁護士でも)なかなか事実を確認することは難しいのですが、まず、お子さんが言っていることは真実なのか、お子さんの容疑は確かなのかを確かめる必要があります。いわゆる冤罪事件も決して少なくなく、私個人の体験でも数件の少年冤罪事件を経験しており、そのうち4件は実際に無罪に相当する「非行事実なし」の不処分を得ています。

このような場合には、少年の言い分に十分耳を傾け、真実を貫けるよう励ますことが必要です。しかし、ほとんどの事件では、少年が助かりたいと思い、他の少年とも口裏を合わせて、無実を主張することが多いのです。

このような場合には、いたずらに少年をかばうということは、却って少年の反省を妨げることになってしまいます。「あなたを見捨てはしない」という態度は絶対に必要ですが、「勇気をもって事実を受け入れ、向き合う」ということも必要です。

家裁に事件が送致されると、調査官が少年や親と面接し、裁判官宛に調査報告書を作成します。この調査は裁判官がお子さんの処分を決定する上で非常に重要です。調査官は調査の結果、調査官としての処分意見を報告書に記載します。多くの場合、裁判官はこの意見を尊重して、処分を決定するからです。

そう言うと、ともすれば、親としては「うちの子はこんなに良い子なのに、なぜこんなことをしでかしたのか見当もつきません」と言いがちです。

しかし大事なことは、親が「子どもにはどういう問題があるのか」、「親としてどうすればその問題を解決できるのか」ということをどれだけ考えているかです。これを調査官に説得力をもって説明できるということが、調査官の心を動かすことになるのです。

しかし、調査官の手前だけ、口先でそれらしきことを言っても、調査官もプロですから、すぐに見破られてしまいます。親が自分の頭でこれらの問題に真摯に向き合うことが大事です。

また、お子さん自身も「自分のどこに反省すべき点があったのか」、「これからどういうことに気を付けて生活すれば良いのか」を審判までに真剣に、しっかり考えてもらわねばなりません。親は留置場や鑑別所での子どもとの面会で、子ども自身に考えを深めさせるよう働きかける必要があります。

弁護士が弁護人、付添人になっていれば、親御さんやお子さんにこれらの作業がうまくいくように助言してくれるでしょう。

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