子どもに寄り添う - 少年事件・学校事故への取り組み(野口善國)
18歳は大人か? 〜野口善國のつぶやき
最近、民法の成人年齢を18歳とせよという動きが強まって、既に立法作業が始まっているといってもいいくらいです。
確かに、18歳、19歳の少年による社会を驚かせるような「凶悪」事件も報道されています。しかし、本当は少年による殺人事件の数は非常に減少しており、昭和38年頃の7分の1か8分の1というのが現状です。
しかし、18歳は本当に大人なのでしょうか。18歳に選挙権が与えられたというだけで大人といえるでしょうか。どこの高校でも、18歳の生徒と17歳以下の生徒で指導方法や適用される規則は同じではないでしょうか。
私はこれまで300人以上の「非行少年」と「付き合って」きましたが、18歳以上の少年でも未熟さが目立ちます。
脳の発達を研究している人によれば、人間の脳は20代まで成長を続けると言います。
確かに、見た目の体格では大人に見える少年も多いです。身体が成長すれば動物の世界では「大人」と言えますが、人間世界では大人になるまで色々と学ぶことが多いのです。
世の中が進歩すると学ぶことも多くなるのですから、過去の歴史を見ると、成人とされる年齢は概ね高くなっています。成人年齢を下げるというのは、歴史的にはむしろ逆行しているように思います。
少年法は「子どもを甘やかしている」という人々も少なくありませんが、そういう人々は少年と身近に接した経験はなく、また接しようとはしない人々のように思えます。
私の体験から言わせていただくとすれば、「凶悪」な事件を起こした少年で、甘やかされた少年はほとんどいないのではないかと思います。むしろ甘えさせてもらった体験が少ない少年達と思えます。
私は学生時代から少年法を守る活動を続けてきましたが、今が一番大きな危険を感じています。