子どもに寄り添う - 少年事件・学校事故への取り組み(野口善國)
少年法「改悪」について 〜野口善國のつぶやき
この2年余りの間、少年法適用年齢を20歳未満から18歳未満に切り下げる政治的な動きが有り、私は、この事は少年法の死滅に連なる問題として精一杯、この改悪阻止の運動に参加してきました。
少年法は、少年の可塑性、可能性に賭けて、なるべく刑罰に代えて、教育を行うという思想の基に、試験観察や少年院の制度など優れた制度を置いています。
その成果もあり、日本の治安の良さは世界屈指ですし、少年事件、少年による殺人事件などは、現在、戦後の最大の時期と比べて1/7、1/8と極めて減少しています。
また、少年院や少年鑑別所もガラガラです。例えば、神戸少年鑑別所の収容定員は120名ですが、現在収容者は20名余りです。和歌山、その他の地方では、収容者が0や1名という日が度々あるようです。
このような状況で、少年事件の約半数を占める18歳、19歳が少年法適用範囲から外れるとすれば、多くの少年鑑別所、少年院が廃止される可能性があります。既に、その統廃合も始まっています。
私は日弁連の子どもの権利委員会に参加したり、講演を行ったり、新聞に投稿したりしてきました。
令和元年6月6日に朝日新聞、同8月17日に大阪日々新聞にも掲載されました。また、本年9月15日には神戸西ワイズメンズクラブという所で講演をしました。その内容は別紙のレジュメのとおりです。元々弁護士向けの講演レジュメなので、少し難しいかもしれませんが、ぜひご覧ください。
また、近日中に熊本大学で(ウェブになりますが)少年問題の講義をする予定です。
なお、少年法適用年齢引き下げの問題は公明党の頑張りなどにより、今のところは食い止められそうです。しかし、自民、公明両党は、18歳、19歳の少年には刑罰の可能性を広げる(強盗事件等について刑事罰を原則とする)ことを決定しており、まだまだ少年法の危機は続きます。